更新日:2020-05-26

生命保険に入っているとお金を借りられるの?

生命保険に入っているとお金が借りられるって本当?
生命保険でどうすればお金を借りられるの?

生命保険でお金を借りられるというのは本当です。生命保険の「契約者貸付制度」を利用すれば、解約返戻金と呼ばれるものを担保にお金を借りられます。

これは終身保険や養老保険などに加入している人が利用できる制度で、比較的低金利でお金を借りることができます。手続きも簡単で一定の条件を満たす人なら、インターネット、コンビニATMなどを使ってお金を借りることも可能です。

カードローンのように審査も必要ありません。生命保険に加入しているなら、契約者貸付制度が利用できるか、一度、確認してみてはいかがでしょうか。

この記事に書かれていること

  • 生命保険に加入していれば契約者貸付制度でお金を借りられる可能性がある
  • 契約者貸付制度はカードローンのような審査が必要なく、金利も低い
  • 保険会社によってはコンビニATMで引き出しが可能
  • 希望額を借りられないときはカードローンという選択肢も

※新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、掲載カードローン各社の営業時間等が変更になっている場合があります。詳細は各社公式サイトをご確認ください

監修者画像:伊藤 亮太

監修者

ファイナンシャル・プランナー

伊藤 亮太

いとう りょうた

契約者貸付制度を使えば生命保険からお金を借りられる

生命保険はもしものときや病気にかかったときのために加入するものです。しかし、急にお金が必要になったときには、「契約者貸付制度」という仕組みを使ってお金を借りることができます

保険には中途解約したとき、解約返戻金を受け取れるタイプの商品があります。保険会社は加入者から預かった資金を運用して、将来の保険金や給付金の支払いのために準備しています。この資金が解約返戻金として戻ってくるのです。

契約者貸付制度は、この解約返戻金を担保にしてお金を借りる制度です。

契約者貸付制度が使えるのは解約返戻金がある保険

契約者貸付制度を利用できるのは、解約返戻金のある保険です。具体的には次のような商品です。

契約者貸付制度が使える保険

  • 終身保険
  • 養老保険
  • 学資保険
  • 個人年金保険
  • 終身医療保険

一方で定期保険など、解約返戻金のない商品では契約者貸付制度が利用できません。また、終身保険、終身医療保険には、解約返戻金のないタイプの商品もあります。そのような商品も契約者貸付制度は利用できません。

契約者貸付制度は保険を解約せずに貸付を受けられる

契約者貸付制度を利用しても、生命保険の保障は続きます。契約者貸付制度は、お金が必要になったとき、生命保険を解約せずに貸付が受けられるのです。

契約者貸付制度で貸付が受けられる金額は、加入している保険の種類や保険金額、加入期間などによって異なります。契約者貸付制度では解約返戻金の7~9割程度まで借りられるのが一般的なので、解約返戻金がどのくらいたまっているかよって利用できる金額は変わります。

契約者貸付制度は審査と保証人が不要、低金利でお金が借りられる

契約者貸付制度は、銀行の各種融資やカードローンなどと比較して、いくつかのメリットがあります。

契約者貸付制度のメリット

  • 審査不要
  • 低金利
  • 保証人が不要
  • いつ返済しても構わない

一言でまとめると、わずらわしさや不安がなく、お金を借りることができる制度だといえるでしょう。

融資の審査が不要ですぐにお金を借りられる!

契約者貸付制度のメリットは、まず融資の審査が必要ないことです。銀行や消費者金融でお金を借りる場合、カードローンや教育ローンなど、どんな融資でも必ず審査を受けてパスしなければなりません。

返済能力があるかどうかを判断するため、安定的な収入があるか、借入の総額が年収の一定基準を超えていないか、などさまざまな基準が設けられているのです。契約者貸付は、解約返戻金を担保にしているので、このような審査がありません。

契約者貸付制度は年利が低いので利息の負担が軽い

契約者貸付制度は貸付利率が低いことも魅力です。現在、カードローンなどでは年利の上限は14.0~18.0%程度が主流になっています。100万円を借りると、単純計算で年間14万~18万円の利息の負担が生じます。

一方、契約者貸付の金利は、保険会社や保険に加入した時期によって異なります。金利の高いときに加入した生命保険は貸付の利率が高く、金利が低いときに加入した生命保険は利率が低く年3~6%が一般的ですから、カードローンの金利の3分の1から4分の1程度の利息負担ですむことになります。

主要保険会社の契約者貸付制度の金利

保険会社名 金利(年率)
かんぽ生命 2.50~6.0%
日本生命 3.00~5.75%
住友生命 1.55~5.75%
ソニー生命 3.00~6.25%

契約者貸付制度とカードローンの利息差をシミュレーション

契約者貸付制度とカードローンで同じ金額を借りて毎月返済した場合、どの程度の差が出るでしょうか。たとえば、年利18.0%で50万円を借りて返済期間を2年にすると、毎月の返済額は2万5000円程度で総返済額は60万円ですから、利息負担は約10万円です。

一方、同じ条件で金利が6%であれば、毎月返済額は2万2200円程度となり、総返済額は53万2800円。契約者貸付制度の方が、カードローンよりも利息負担を6万7200円も減らすことができます。

契約者貸付制度は保証人がいらない

契約者貸付制度は保証人が必要ありません。住宅ローンといった銀行などの融資で保証人が必要な場合、親族に依頼するのが一般的ですが、親がリタイアしてしまうと収入が年金だけになり、保証人の資格を満たさないケースも多くなります。だからといってほかに依頼できる人もいないのが一般的でしょう。契約者貸付であれば、そんなわずらわしさもありません。

返済期限がなく、いつ返済しても構わない

契約者貸付の場合は返済期限が特に決まっていません。カードローンなどの場合には、「毎月〇日に返済」などと決まっているのが一般的ですが、契約者貸付の場合には、それがないのです。いつでも自由に返済できるのがメリットです。また、返済の際には、全額を返済してもいいですし、一部のみ返済しても構いません。

契約者貸付制度で気をつけるべきポイント

契約者貸付にはさまざまなメリットがありますが、注意しなければならない点もあります。

契約者貸付制度の注意点

  • 借入額が解約返戻金の額を超えると保険が失効する
  • 借入分の金額が保険金や給付金から差し引かれる

保険を解約したくなくて、契約者貸付制度を利用したのに、結果的に失効してしまっては本末転倒です。

貸付金が解約返戻金を超えると保険が失効するので要注意

契約者貸付制度で最も注意しなくてはいけないことが、貸付金が解約返戻金を超えてしまうと、保険が失効してしまう可能性があることです。

契約者貸付で借りられるのは解約返戻金の7~9割程度ですから、その時点で解約返戻金の額を超えてしまうことはありません。しかし、契約者貸付には定期的な返済を行う必要がないので、返済をしないで放っておくと、借りた金額に利息が加算されていきます。その結果、貸付金が解約返戻金を越えてしまうことがあるのです。

利息のみ返済する方法もありますが、うっかりしていて利息の返済を行わないと、それが原因となって保険が失効する場合もあります。契約者貸付制度を利用したために、本来の生命保険の役割である保障がなくなっては大変ですから注意が必要です。

契約者貸付を利用した場合には、そんな万が一が起きないように、できるだけ短期での返済を心がけましょう。逆に言えば、短期で返済が可能なお金が突発的に必要になった場合、契約者貸付を利用する価値は十分にあります。

保険金支払時に契約者貸付制度で借りた分の金額が差し引かれる

死亡保険金などの支払いがあったときに契約者貸付の返済が終わっていないと、その残高分の金額が差し引かれて保険金が支払われることになります。結果的に生命保険のメリットが十分に生かせないこともあります。

たとえば、生命保険を利用して特定の子どもに資産を残す方法があります。生命保険は受取人固有の財産なので遺産分割の対象となりません。「老後の面倒をよく見てくれた子どもに保険金を残す」ようなことができるのです。

ところが、契約者貸付を利用していると、保険金額が減ってしまいますので、予定していた金額を残すことができません。

契約者貸付制度を利用すると相続税の非課税枠がめいっぱい利用できなくなる

相続の際、生命保険には法定相続人1人当たり500万円の非課税枠があります。法定相続人が4人であれば2000万円までの死亡保険金には相続税がかからないのです。そう考えて2000万円の死亡保障に加入していても、契約者貸付を利用していたがために死亡保険金が減ってしまうと、非課税枠をめいっぱい活用することができなくなってしまいます。

電話、Web、ATMから申し込める契約者貸付制度

契約者貸付制度の利用方法は一般的に次のような申込方法があります。

  • 申込書類の郵送を電話やWebサイトで申し込む
  • Webサイトの契約者向けページで申し込む
  • ATMを利用する

契約者貸付を申し込むにはこのようにさまざまな方法がありますが、各社がすべての方法に対応しているわけではありません。保険会社によっては、申込は電話のみという場合もありますから、早めに確認しておくといいでしょう。

ほとんどの保険会社で利用可能な書類による申込

電話やWebサイトで書類の送付を申し込み、必要事項を記入して書類を送り返すという方法は、契約者貸付制度に限らず、保険を利用するの際の一般的な手続きです。そのため、書類による申込は、ほとんどの保険会社で利用可能な方法だと考えてよいでしょう。ただし、ほかの方法に比べて、貸付金を受け取るまでに時間がかかる方法です。

書類送付の申込は、電話もしくはWebサイトから行えます。

  1. 電話を利用する

    営業担当者やコールセンターに電話をして、申し込む方法です。電話で申し込みをすると、手続きに必要な書類が送られてきますので、記入して本人確認書類などの必要書類を添えて返送します。往復の郵送の時間がかかりますので、貸付を受けるまでに最も時間がかかってしまう方法です。

  2. Webサイトを利用する

    保険会社のWebサイトから申し込む方法です。電話で申し込んだ場合と同様、手続きに必要な書類が送られてくるので、記入後、必要書類を添えて返送します。

ネットだけで完結するWebサイトから直接申し込む方法

Webサイトの契約者向けのページで契約者貸付制度を申し込む方法があります。この方法は、ネットだけで申込が完結するので非常に簡単です。貸付金を受け取るまでのスピードも早く、最近は大手の保険会社もこの方法に対応しています。

すでに会員登録をしている場合には、ログインをして手続きを進めます。会員登録をしていない場合には、新規登録後に手続きが可能になります。

新規登録には、登録番号などが必要になる場合があります。登録番号を入手するには郵送手続きが必要なケースもありますので、早めに手続きをしておいたほうがいいでしょう。

契約者貸付をインターネットで申し込む手順

  1. サイトに登録してログイン
  2. 貸付金額、振込先口座を指定
  3. 手続き完了後にメールが届く
  4. 振込を確認

※ソニー生命の場合

カードがあればATMから現金を引き出す感覚で利用できる

まだ対応しているところは多くありませんが、保険会社によっては契約者向けにカードを発行している場合があります。そのカードを利用して銀行や郵便局、コンビニエンスストアのATMで契約者貸付を受けられる保険もあります。銀行預金口座からATMでお金を引き出すのと同じ感覚で契約者貸付制度が利用できるのです。

この場合、資金に余裕ができればATMから気軽に返済できるのもメリットです。「返済しようと思ったけれど、手続きが面倒でついそのままになってしまった」ということがありません。1日でも早く返済することは利息負担の軽減につながります。

契約者貸付制度の落とし穴—希望額で借りられない、いざというとき足りない

契約者貸付制度には注意点こそあれ、これといったマイナス面はありません。しかし、いくつかの落とし穴はあります。

1つ目は、必要な金額を借りられない可能性があることです。特に生命保険に加入して間もない時期は、解約返戻金はほとんど貯まっていません。そのため、契約者貸付ではほとんど貸付が受けられませんので、希望する金額を準備できない可能性が高くなってしまいます。

2つ目は、いざというときに保険の機能を十分に果たせない可能性があることです。たとえば、大学入学に合わせて300万円の学資金を受け取れる学資保険に加入していたにもかかわらず、契約者貸付で150万円を利用していたために、受け取る学資金が大幅に減ってしまうようなことがあれば、本末転倒です。

契約者貸付制度で借入金が不足するならカードローンを使う手も!

自由度高く借りたいなら、カードローンを利用するのも有効です。カードローンであれば、初めての利用でもある程度のお金を借りることができます。契約者貸付制度と比較して金利は高めになってしまいますが、計画的な返済が可能ですから借りすぎを抑制する効果もあります。

消費者金融のカードローンは初めての利用の場合には、30日間など一定期間が無利息になるサービスがあります。短期間と割り切って利用するならとても有利です。また、審査が早く、当日に融資が受けられることもあります。急にお金が必要になったときに一時的に利用するなら有利かもしれません。

この記事のまとめ

  • 解約返戻金がある保険は契約者貸付制度を利用できる
  • 契約者貸付制度は審査や保証人が必要ない
  • カードローンよりも契約者貸付制度は金利が低い
  • WebやATMから申し込むことができる保険会社もある
  • 契約者貸付で目的の金額を借りられないときはカードローンを利用する方法も
監修者画像:伊藤 亮太

監修者

ファイナンシャル・プランナー

伊藤 亮太

いとう りょうた

慶大院修了後、証券会社にて営業・経営企画、社長秘書等を行う。投資銀行業務にも携わる。
現在、資産運用と社会保障を主に、FP相談・執筆・講演を行う。東洋大学経営学部ファイナンス学科非常勤講師

著書

「ゼロからはじめる! お金のしくみ見るだけノート」(宝島社)(監修)、「金融入門基本と常識」(西東社)(著作)

関連記事

審査甘い借入先でお金を借りたい...カードローン審査の3つのコツ

「審査甘い借入先ってあるのかな?」「お金が必要…

更新日:2020-07-31

これで教育資金を準備できる!母子家庭でお金を借りる制度とは?

「今の給料では、生活費だけで精いっぱい」 「

更新日:2020-07-31

個人間融資「お金を借りる」掲示板が危険な理由

「掲示板で融資のやり取りをしているのを見たことがあって興味がある…」

更新日:2020-07-31

街金とは?絶対審査通る?借金に悩む人へ街金をおすすめしない理由

「街金なら審査に通りやすいって聞いたけど…」

更新日:2020-07-27

学生ローンはデメリットあり!親バレしにくい消費者金融と徹底比較

「バイクを買いたい」「旅行に行きたいけどお金が…

更新日:2020-07-20