※新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、掲載カードローン各社の営業時間等が変更になっている場合があります。詳細は各社公式サイトをご確認ください。

監修者
ファイナンシャル・プランナー
伊藤 亮太
いとう りょうた
目次
家を担保に銀行でお金を借りる方法
自宅や土地などの不動産を担保にして銀行などの金融機関でお金を借りられる方法には、「不動産担保ローン」や「リバースモーゲージ」などがあります。
不動産を担保としているため、無担保の個人向け「カードローン」や法人向け「ビジネスローン」よりも、低金利で借りることができます。
住宅ローンよりも資金使途が広いのも特徴のひとつで、教育資金や事業資金などにも使うこともできます。
不動産担保ローンで融資を受けるまでの流れ
金融機関によって貸付条件は異なりますが、融資を受けるまでの基本的な流れはだいたい同じです。
- 金融機関が取り扱っている不動産担保ローンに申し込む
(ネットで相談・仮審査を依頼し、その後店頭で正式に申し込みを必要とするものも多い) - 不動産調査が入り土地評価額が決まる
- 申込者の審査が行われる
- 審査が通れば無事契約
- 融資が実行される
審査の申し込みから融資の実行まで、約1週間程度かかります。金融機関によっては3週間から1ヶ月ほど時間がかかる場合もありますので、利用する金融機関に確認しましょう。
不動産担保ローンの審査に必要な書類
無担保の「カードローン」と比較すると、「不動産担保ローン」は担保する不動産がある分だけ必要書類が多くなります。
必要書類は、金融機関ごとに異なるので事前に担当者に確認しておくことをおすすめします。
- 担保不動産の確認ができるもの(金融機関が取得する場合もあります)
・不動産登記簿謄本(法務局で発行されたもの)
・住宅地図(法務局で入手)
・土地図面(公図)(法務局で入手)
・地積測量図(法務局で入手)
・建物図面(法務局で入手)
・固定資産税評価証明書(市町村役場で入手)
・建築確認済証(市区町村役場で入手) - 本人確認できるもの
・運転免許証(ない場合はパスポートなど顔写真のある公的証明書)
- 収入があることを証明するもの
・収入証明書
- 未納の税金がないことを確認できるもの
・納税証明書 ・前年度の固定資産税納付証明書または納税通知書
- 担保不動産のローン残高を確認できるもの
・担保となる不動産のローン残高証明書(他に借り入れがある場合)
- その他
・住民票
・実印
・印鑑証明書
不動産担保ローンで借入ができる限度額
不動産担保ローンで借り入れができる融資額(限度額)は、一般的には不動産担保価値の6〜8割です。割合は担保にする不動産の価値によって変動します。
通常は7割程度が平均となりますが、不動産によってはそれほど高く評価されないケースもあり、金融機関により評価額が変わります。
例えば、3000万円の不動産を担保に入れる場合、1800万〜2400万円程度の限度額が設定されます。
不動産に住宅ローンが残っているなど、優先される債権がある場合には、住宅ローンがない場合の借入限度額から住宅ローンの残額が引かれた金額が限度額になります。
さらに印紙代や登記費用などの諸費用や手数料が引かれることにも注意してください。
中でも一番高いのは事務手数料で「融資額の2.0%」くらいかかります。
例えば、融資額が2000万円の場合は40万円です。これも金融機関によって違うので確認した方がよいでしょう。
住宅の資産価値(評価額)を決める条件
住宅の資産価値を決める中で、評価額が低くなってしまう条件がいくつかあります。
借地権がついた不動産は土地の部分が本人のものではないので資産価値が低くなってしまいます。
接道面積が狭い物件も使い勝手が悪く資産価値が下がる条件です。
行政が市街化を抑制している「市街化調整地域」の場合も、住宅地の流通が難しく資産価値が低くなってしまうのです。
不動産担保ローンの金利と返済期間
不動産担保ローンは、無担保ローンより比較的金利が低く、返済期間を長期に設定できるため、月々の返済額を抑えられます。
不動産担保ローンの金利には「固定金利タイプ」と「変動金利タイプ」があります。
一定期間(3年・5年・10年など)あるいは全期間の金利が固定されるのが「固定金利タイプ」です。
一方で市場の情勢に合わせて金利が変動するのが「変動金利タイプ」です。
一般的に半年ごとに金利が見直されます。
固定金利タイプの特徴
- 金利が変わらないため月々の返済額も変わらない
- 変動金利よりも金利が高い
変動金利タイプの特徴
- 固定金利よりも金利が低い
- 金利が上がれば返済額も増える
不動産担保ローンでは保証人は不要?
原則として不動産を担保とするローンには保証人は不要です。
不要な理由は、返済不能になっても担保にしている不動産を売却して返済することができるからです。
ただし、保証人が必要になるケースもあります。
本人以外が所有する不動産、あるいは、共有名義の物件を担保にする場合、その所有者や共有者に保証人になってもらう必要があります。
法人の場合は代表者が連帯保証人になることを求められます。
不動産担保ローンで返済できなかったときは?
ローンの返済が滞った場合には抵当権を持つ金融機関などの債権者に不動産は差し押さえられてしまうので注意が必要です。
不動産担保ローンの返済方法は、元利均等毎月返済が一般的です。
金融機関によっては、ボーナス月併用返済や期日一括返済、元金均等返済を選択できる場合もあります。
ところで、返済が滞った時に不動産が差し押さえられてしまうのは、不動産担保ローンに限ったことではありません。
カードローンなどの無担保ローンでも返済が滞れば土地家屋といった資産を差し押さえられてしまうことがあるのです。
すぐに資金が必要でなければ、はじめから比較的大きな資金を低金利かつ長期間にわたって借り入れることができる、不動産担保ローンを使う方がよい場合もあります。
- 抵当権とは
- 返済できなくなった時に担保に入れた資産を金融機関などの債権者が自由にできる権利のこと。
年金や一時金として生活資金が受け取れるリバースモーゲージ
自宅を担保にして、そこに住み続けながら死亡するまで金融機関から融資を受けられる、「リバースモーゲージ」という高齢者向けのローンがあります。
子供に金銭的な負担をかけることのない年金収入以外の資金調達の手段として人気があり、生活資金はもちろん高齢者施設への入居費やレジャー資金などに利用されています。
通常の住宅ローンとは異なり、契約者が生存中は完済する必要はなく、契約者が死亡したら遺族が家を売却するか、残債を支払うかで精算します。
銀行以外の住宅金融支援機構などでも「60歳からの住宅ローン」として商品を販売しているようなのでチェックしてみてください。
リバースモーゲージは住宅ローン返済にもあてられる
リバースモーゲージを活用して、老後の生活資金以外に、住宅のリフォームや住み替え資金、また住宅ローンの残債の支払いにも当てることができます。
何かあったときのために自己資金にはあまり手をつけたくないけれど、暮らしを快適にしたいといった場合に適しているといえるでしょう。
リバースモーゲージのリスク
よいことばかりのように思われるリバースモーゲージですが、いくつか注意したいことがあります。
- 借り入れには子供などの相続人の許諾が必要。
- 金利の上昇によって返済の負担が増える可能性がある。
- 長生きした場合に融資が打ち切られてしまうことがある。
契約者が長生きすると、最初に設定された融資限度額まで使ってしまい、担保価値を超えて借り入れができなくなるリスクがあるのです。
利用する前に慎重に判断するようにしてください。
生命保険を担保にお金が借りられる契約者貸付制度
生命保険に加入したまま、保険を解約したときに払い戻されるお金(解約返戻金)を担保にお金を借りられる「契約者貸付制度」があります。
借りられる金額は生命保険会社や生命保険の種類によって変わりますが、解約返戻金額の70〜90%の範囲です。
一般のローンよりも金利は低めですが、あくまでも借り入れなので、利息分も返済しないといけないので注意が必要です。
自動車を担保にお金が借りられる
「車に乗ったままでOK」「金融ブラックでも申し込み可能」「即日現金融資」などと謳われている広告を見かけることがあります。
これは「車担保融資」といって、個人で所有している自動車を担保にして、お金を借りる方法です。
一見とても便利な借り入れ方法のように感じられますが、金利も手数料も高く、返済できない時には自動車が取り上げられてしまうなど、実はその裏には危険も多いのであまりおすすめはできません。
無担保でお金を借りられる銀行や消費者金融のカードローン
これまで、担保が必要なお金の借り方を説明してきましたが、カードローンであれば担保がなくても早く借りられることができます。
カードローンには大きく分けて、銀行や信用金庫が提供しているカードローンと消費者金融などの貸金業者が提供しているカードローンの2種類があります。
銀行のカードローンは消費者金融のカードローンより借入金利が低いことが特徴です。
消費者金融のカードローンは、はじめての人を対象に契約から30日間の無利息期間が設けられていることが多く、融資のスピードが早いという特徴があります。
すぐにお金が必要な場合は消費者金融のカードローンを選んだ方がよさそうです。
金融各社の融資にかかる時間と金利
会社名 | 融資にかかる時間 | 金利 | 無利息期間サービス |
---|---|---|---|
みずほ銀行カードローン | 2~3営業日 | 年2.0%~14.0%(※) | なし |
三井住友銀行カードローン | ー | 年1.5%~14.5% | なし |
三菱UFJ銀行カードローン | 翌日以降 | 年1.8%~14.6% | なし |
アコム | 最短30分 | 年3.0%~18.0% | 契約日の翌日から30日間(初回のみ) |
アイフル | 最短1時間 | 年3.0%~18.0% | 契約日の翌日から30日間(初回のみ) |
プロミス | 最短1時間 | 年4.5%~年17.8% | 初回借入日の翌日から30日間(初回のみ)※メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要 |
※みずほ銀行の住宅ローンの利用でみずほ銀行カードローンの基準金利から金利を年0.5%引き下げ。
資金使途によってメリットとデメリットを考える
ここまでさまざまなローン商品を見てきましたが、それぞれの利用者のメリット・デメリットについてまとめてみたいと思います。
必要な金額や使い道によってどれが今の自分にピッタリ合うのか考え、しっかり返済計画を立てて上手に利用してください。
不動産担保ローン
メリット:融資が高額。返済期間が長期に設定できる。金利が低い。連帯保証人不要
デメリット:利用時に諸費用必要。返済できないと不動産を失う。融資までに時間がかかる
生命保険担保ローン
メリット:保険を継続したまま借り入れができる。金利が低い
デメリット:貸し付けを受けた部分に利息が発生する
自動車担保ローン
メリット:自動車を売らずに乗ったまま借り入れができる
デメリット:金利も手数料も高い。返済ができないと自動車を取られてしまう
カードローン
メリット:担保がなくても借りられる。融資のスピードが早い
デメリット:金利が高い