※新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、掲載カードローン各社の営業時間等が変更になっている場合があります。詳細は各社公式サイトをご確認ください。

監修者
ファイナンシャル・プランナー
伊藤 亮太
いとう りょうた
目次
銀行や消費者金融のカードローンの申込方法・審査の流れ
銀行や消費者金融は、いつどのように申込者の情報をチェックしているのでしょうか。それを知るために、まずはカードローンの新規申込と借入審査の流れについて確認しておきましょう。
申込時には年収や希望借入額などについても記入する
カードローン会社は、申込者が記入するさまざまな情報を、審査の材料としています。
申込時にどんな情報を記入するのか、プロミスを例に確認してみましょう。
申込時に記入する情報リスト(プロミスの場合)
基本情報 | 氏名 | |
---|---|---|
氏名カタカナ | ||
生年月日 | ||
性別 | ||
家族構成 | 既婚か独身か | |
子供の有無 | 子供有りか子供無しか | |
電話番号 | 携帯・PHSを含む | |
自宅電話の有無 | 有りか無しか | |
運転免許証交付の有無 | 有りか無しか | |
自宅情報 | 郵便番号 | |
自宅住所 | ||
自宅住所(フリガナ) | ||
住まいの種類 | 持家、賃貸住宅(貸家なども含む)、 社宅・寮・官舎、公営住宅 の中から選択 |
|
勤務先情報 | 雇用形態 | 正社員、契約社員、派遣社員、 アルバイト・パート、学生(アルバイト・パート)、 公務員、個人事業主、法人経営者(取締役以上) の中から選択 |
勤務先名 | ||
勤務先名(フリガナ) | ||
勤務先住所(フリガナ) | ||
所属部署 | 任意記入 | |
電話番号 | ||
社員数 | ||
最終学歴 | ||
入社年月 | ||
税込年収 | ||
健康保険証の種類 | 社会保険証、国民健康保険証、組合・共済保険証、 船員保険証、健康保険に未加入 の中から選択 |
|
業種 | ||
職種 | ||
契約方法その他 | 希望の契約方法 | WEB、来店から選択 |
現在の他社借入 | 件数および金額(万円)を記入 | |
今回の借入希望額 | ||
メールアドレス | ||
パスワード | ||
審査結果の連絡方法 | メールまたは勤務先電話 | |
書面の受取方法 | WEB・自宅郵送・勤務先郵送 の中から選択 |
<出典>プロミス公式サイト「お客さま情報入力」をもとに作成
氏名や生年月日などの基本情報のほか、自宅情報、勤務先情報、契約方法など、たくさんの項目があることがわかります。
仮審査、本審査の順に審査が行われる
カードローン会社は、申仮審査、本審査の順に審査を行います。
仮審査では、申込時に入力した情報からコンピューターが自動的に返済能力を判断します。
続いて行われるのが本審査です。本審査では、申込者が入力したこれら多くの情報について、
- 誤記入はないか
- 記入内容に矛盾はないか
- 他社借入の状況はどうか
などの観点から入念にチェックが行われ、申込者のお金に関する信用力を判定しています。
その結果、少しでも不明な点が見つかったり、基準を満たさない項目があると、借入可能額が少なくなったり、借入そのものができなくなったりするというわけです。
カードローンの申込の際についた嘘は必ずバレる!
本審査の段階で、なぜ入力の誤記入や嘘がバレてしまうのでしょうか。
その理由は、申込時の記入内容を以下の方法で確認しているからです。
申込内容の確認方法
- 本人確認書類との照合
- 勤務先への在籍確認
- 個人信用情報機関の登録情報との照合
それでは、詳しく見ていきましょう。
(1)本人確認書類との照合
申込にあたっては、申込者が本人であることを示す書類を提出しなければなりません。たとえば、以下の書類が本人確認書類として認められています。
本人確認書類の例
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
- 住民票の写し
本人確認書類に記載の情報と、カードローン申込時の入力情報を照らし合わせて、誤りがないかどうかをチェックしているというわけです。
(2)勤務先への在籍確認
本審査では、申込時に入力された勤務先に電話をして、その勤務先があるのか、申込者が本当に勤めているかどうかの確認が行われます。これが在籍確認です。
(3)信用情報機関の登録情報との照合
カードローン利用者の情報は、信用情報機関を通じてすべての消費者金融会社に筒抜けになっています。
申込者に関する情報は、信用情報機関に一定期間登録され、加盟している会社が閲覧できるようになっているためです。
登録情報のうち、とくに重要な項目は次の2点です。
- 過去に延滞や債務整理をしていないか
- カードローンで延滞などの返済トラブルがあったり、自己破産などの債務整理を行ったりすると、5年間はその事実が金融事故として信用情報機関に登録されてしまいます。これが、いわゆるブラックリストと呼ばれるものです。
- 短期間に複数のカードローンに申し込んでいないか
- 短期間に複数の消費者金融に申込を行うと、その事実も登録されてしまいます。そうなると、消費者金融の間で「この人は、カードローンの申込を頻繁に繰り返している」と警戒されてしまい、審査にマイナスになるというわけです。
これを「申込ブラック状態」と呼ぶことがあります。
そのほか、借入や返済履歴といった契約情報など、広範囲にわたる情報が登録されます。詳しく知りたい人は下の表をご覧ください。
指定信用情報機関に登録される個人信用情報
信用情報の種類 | 主な情報項目 | 保有期間 |
---|---|---|
申込情報 |
|
照会日より6ヶ月間 |
契約内容や 支払状況に 関する情報 |
|
契約期間中および契約終了後5年以内 |
加盟会員の 照合記録 |
|
利用日より6ヶ月間 |
<参考>割賦販売法・貸金業法指定個人信用情報機関ホームページ(CICが保有する信用情報)をもとに作成
申込時によくある嘘とバレてしまう理由
次に、どんな嘘がどのようにバレてしまうのか、代表的な例を見てみましょう。
(1)個人情報の嘘
申込時の記入内容と本人確認書類や信用情報機関への登録情報が合わない場合は、他人へのなりすましが疑われます。
個人情報の嘘がバレる理由
嘘の場所 | 例 | 確認される情報 | |
---|---|---|---|
個人情報 | 氏名 |
|
本人確認書類や信用情報機関登録情報等 |
ふりがな |
|
うっかりミスで書き間違えたケースでは、正しい表記に修正を求められるだけで済むかもしれません。
総合的に判断して、明らかに他人へのなりすましが疑われた場合には、以後の申込はできないことを覚悟しましょう。
(2)年収の嘘
会社の規模(従業員数)、業種、勤続年数などから見て、年収が明らかに高すぎると判断されるケースもあります。この場合は、給与明細書などの収入証明書類の提出を求められ、結果、正しい年収がわかってしまうでしょう。
年収の嘘がバレる理由
嘘の場所 | 例 | 確認される情報 |
---|---|---|
年収 | 年収が明らかに高いなど | 収入証明書類等 |
(3)会社など勤務先の嘘
在籍確認の電話で会社員やパート・アルバイトなどの勤務実態は簡単に確認できます。会社名、住所、電話番号などから、勤務先自体が存在しているかどうかもつかまれてしまうでしょう。
勤務先の嘘がバレる理由
嘘の場所 | 例 | 確認される情報 | |
---|---|---|---|
会社など勤務先 | 勤務実態 | 本社か営業所か | 在籍確認の電話など |
勤務地 | 非正規か正規か | 勤務地、年収、職種など申込内容と信用情報機関登録情報等をもとに妥当性を判断 |
(4)勤続年数の嘘
勤続年数は申込時に記入する「入社年月日」で確認されます。また、入社年月日が記載された健康保険証を本人確認書類として提出していれば、記入内容との違いも簡単に見つかってしまうでしょう。
勤続年数の嘘がバレる理由
嘘の場所 | 例 | 確認される情報 |
---|---|---|
勤続年数 | 入社年月日を古く入力 | 勤務地、年収、職種など申込内容と信用情報機関登録情報等をもとに妥当性を判断 |
(5)他社借入件数・金額の嘘
他社の借入件数と金額は、過去の借入履歴や信用情報機関に登録された情報などから、簡単にバレてしまいます。
他社借入残高の嘘がバレる理由
嘘の場所 | 例 | 確認される情報 | |
---|---|---|---|
他社借入残高 | 件数 | 他社借入なしまたは少なく記入 | 取引履歴および信用情報機関登録情報など |
金額 |
お金を借りるときの嘘がバレたら詐欺罪になる可能性もある
カードローンの申込時の嘘がバレた場合、どうなるのでしょうか。
審査中にバレた場合と、審査通過後にバレた場合の段階別に解説します。
(1)審査中に嘘がバレた場合
審査中に嘘がバレた場合、それがうっかりミスだったのか、明かな嘘だったかによって対応が異なります。それぞれ見ていきましょう。
うっかりミスが見つかった場合
「うっかり間違って記入して申し込んでしまった」
「カードローン会社から入力情報の誤りを指摘されてしまった」
そんな場合は心配いりません。手続き途中に判明したうっかりミスは、訂正可能です。すみやかにカードローン会社の窓口に連絡して、訂正してください。
嘘をついて申し込んだことがバレた場合
年収を高く申告したり他社借入を少なく申告したりした場合など、明らかに嘘をついたことがバレてしまったら、審査落ちとなり以後の手続きはできなくなってしまいます。同じカードローンに再度申し込むこともできません。
他のカードローンに申し込むこと自体は可能ですが、申込不可の履歴が信用情報機関に登録され、貸金業者の間で共有されていますので、審査通過は期待できないかもしれません。
(2)審査通過後に嘘がバレた場合
嘘の申告をして、運よく本審査を通過して借入ができたとしましょう。ところが、その後、カードローン会社が申込内容に誤りがあることに気づいたらどうなるでしょうか。
以下の3つの可能性が考えられます。
- 会員資格を失って強制解約となる
- 強制解約のうえ残債は一括返済
- 刑事罰を問われることもある
それぞれ詳しく説明しましょう。
会員資格を失って強制解約となる
カードローンの申込時に同意した会員規約には、虚偽の申告をしたことが判明したときに会員資格を喪失させることができると書かれています。
たとえば、アコムの会員規約には、「退会および会員資格の喪失等」として次の記載があります。
- 当社は、会員が次のいずれかに該当する場合には、会員に通知することなくカードの利用を停止し、会員資格を喪失させることができ、会員にACマスターカードを交付している場合には加盟店に当該カードの無効を通知することができるものとします。なお、当社が会員資格を喪失させた時点において残債務がある場合、会員は第31条および第39条の規定に基づく遅延損害金を付加して支払うものとします。
- 申込書の記載事項等について、会員が当社に虚偽の申告をしたことが判明したとき。
- 会員が本規約に違反したとき。
- 会員の信用状況に重大な変化が生じたり、カードの利用状況が適当でないと当社が判断したとき。
(略)
(以下略)
<出典>アコム会員規約より一部抜粋。下線加筆
したがって、申込時の嘘が判明したときには、程度にもよりますが、以後の借入はできなくなるというわけです。
強制解約のうえ残債は一括返済
会員資格を失うと、カードローンの契約は強制解約となります。もし未返済の借入が残っていれば、一括返済しなければなりません。加えて、遅延損害金の支払を求められる場合もあるなど、たいへん厳しい措置を受けることになってしまいます。
刑事罰を問われることもある
カードローンの申込で、正しい情報を告げずに契約が成立したとしましょう。この契約で、お金を引き出した場合、詐欺罪として刑事罰にあたる可能性があることをご存じでしたでしょうか。
- 詐欺とは
- 他人をあざむくことで相手に錯誤を生じさせ、その結果利益を得る犯罪のこと。
刑法によると、詐欺罪は「10年以下の懲役に処す」とあり、たいへん重い刑罰であることがわかります。
詐欺罪だけではありません。嘘の申込で何度もお金を引き出すと、お金を盗む行為として窃盗罪にあたる可能性もあります。
さらに、他人になりすまして運転免許証などの本人確認書類を偽造して申し込むなどの悪質なケースでは、有印私文書偽造罪が処せられる可能性もあるのです。
カードローンの嘘がバレた場合に処せられる主な刑罰
詐欺罪 | 刑法第246条 | 人を欺いて財物を交付させる行為。10年以下の懲役に処せられる。 |
---|---|---|
窃盗罪 | 刑法第235条 | 他人の財物を盗み取る行為。10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。 |
有印私文書偽造罪 | 刑法第156条 | 権限のないまま他人名義の文書を作成する行為。3月以上5年以下の懲役に処せられる。 |
<出典>「刑法」をもとに作成
このように、悪質な嘘の申込は、いくつもの重い刑罰の対象になる可能性があります。「なんとしてもお金を借りたい」という気持ちから、安易に悪事に手を染めて後悔することのないよう、くれぐれも気をつけてください。
銀行など金融機関のカードローンと消費者金融の審査基準に違いはあるの?
「消費者金融には審査が甘い会社もある」と聞くことがありますが、それは事実と異なります。審査基準に会社による違いはほとんどありません。
各カードローン会社は、申込者の属性や他社からの借入状況、信用情報などから審査を行い、返済能力があるかどうかを判断しています。
消費者金融のカードローンの場合、年収の3分の1以上のお金を借りることはできないという決まりもあります。これが「総量規制」と呼ばれるものです。
総量規制は、2010年に施行された貸金業法という法律で定められています。
審査基準は公表されていませんが、一般的に以下の条件をクリアできれば、どのカードローンに申し込んでも審査に通過する可能性はあると考えられるでしょう。
- 安定した収入がある
- 過去に延滞などの履歴がない
- 他社からの借入はないか少ない
銀行は総量規制から除外されているが自主規制がある
一方、「銀行のカードローンなら総量規制の対象外」ということもよく耳にします。
たしかに、貸金業者ではない銀行のカードローンは総量規制の対象外ですが、銀行においてもカードローンに自主規制を設けていて、貸金業者のルールに準じた対応を行っています。
具体的には、
- 審査にあたり信用情報機関の情報などを活用する
- 自行・他行のカードローン、貸金業者の貸付を勘案して返済能力などを確認する
など、総量規制を意識した審査を行っています。
銀行も消費者金融も、審査基準に大きな違いはないということを理解しておきましょう。
消費者金融のカードローンは融資までの時間が短い
銀行のカードローンと消費者金融のカードローンの大きな違いは、申込から借入までの時間です。
銀行のカードローンは、最短でも申込日の翌日以降にならないと、審査の結果が通知されません。さらに、申込内容に不備がある場合はその往復で2週間程度、カードの受取まで1週間程度と時間がかかることがネックとなります。
一方の消費者金融は、審査時間と借入までのスピードが大きな特徴です。
プロミス、アイフル、アコムの例を見てみましょう。審査時間は最短30分、借入までの時間は最短1時間または最短即日となっています。
大手消費者金融の融資スピードの比較
会社名 | 審査時間 | 借入までの時間 |
---|---|---|
プロミス | 最短30分 | 最短1時間 |
アコム | 最短30分 | 最短即日 |
アイフル | 最短30分 | 最短1時間 |
申込から借入までのスピードを最優先するなら、消費者金融のカードローンを検討してみてはいかがでしょうか。
一部の消費者金融のカードローンでは、申込の手続きに進む前に、借入が可能かどうかを簡単にチェックできる簡易審査を利用することができます。
結果を保証するものではありませんが、審査が不安な場合は参考になるでしょう。
プロミス |
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