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監修者
ファイナンシャル・プランナー
伊藤 亮太
いとう りょうた
三菱UFJ銀行カードローン |
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目次
返済期日を過ぎると遅延損害金が発生!カードローンも利用停止に
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」を利用中、返済期日を過ぎてしまうと、まずは2つのことが発生します。
- バンクイックが利用できなくなる。
- 遅延損害金が発生する。
延滞を起こすと、バンクイックの利用はできなくなり、追加の借入ができなくなります。ただし、延滞した分を返済すれば、再び利用が可能になります。
遅延損害金とは、返済が遅れてしまったペナルティのようなもの。バンクイックの場合、遅延損害金は借入時に適用されている金利と同じ金利が上乗せになります。なお、遅延損害金は以下の計算式により求められます。
遅延損害金の計算方法
遅延損害金=借入額×遅延損害金年率÷365(※)×遅延日数
※うるう年は366日で計算
例えば、借入額が100万円で、金利年14.6%でバンクイックを利用している人が、10日間延滞してしまった場合。上乗せとして発生する遅延損害金年率は14.6%なので、これを計算式にあてはめると
遅延損害金=100万円×0.146%÷365×10日=4,000円
上記のケースでは、1日あたり400円、10日間で4,000円の遅延損害金が発生するということです。数日程度の遅延なら遅延損害金もまだ少額ですが、日に日に大きくなっていきます。遅延したとわかった段階で、1日でも早く返済するようにしましょう。
バンクイックを遅延し続けるとどうなる?財産が差し押さえになることも
バンクイックを延滞しても、すぐに対処していれば、再びバンクイックは利用可能になりますし、審査で重要な信用情報にも大きな影響はありません。しかし、延滞日数が増えていけばいくほど、状況はどんどん悪化します。
バンクイックを遅延した場合に起こることは以下の表の通りです。
バンクイックを遅延し続けた場合に起こること
(1) 電話などによる催促がある |
(2) 督促状が届く |
(3) 遅延が2〜3ヶ月になると一括請求書が届く |
(4) 保証会社であるアコムによる代位弁済が行われる |
(5) 貸金請求起訴を起こされてしまう |
(6) 強制執行(差し押さえ)を受ける |
それでは、各段階でどのようなことが起こるのか、より具体的に確認していきましょう。
遅延から数日以内にバンクイックから電話による催促を受ける
遅延をして数日が経過すると、バンクイックから電話による催促があります。「返済がされていませんが、どうしましたか?」といった内容であり、バンクイックの担当者から電話がかかってきます。
この際、返済に遅れた理由が「ついうっかり、入金を忘れた」であっても、そのことを正直に伝えましょう。また、いつまでに入金するのかも聞かれますので、「〇日までに入金します」と具体的に答えましょう。
口頭で伝えた返済期日までに入金を完了できれば、これ以上大きな問題にはなりません。カードローンも再び利用できるようになります。仮に遅延したとしても、この段階までに対応できれば、大きな悪影響はありません。
電話による催促を無視してしまうとより強い口調の督促状が届く
電話による催促の期日を過ぎても入金しない、または電話そのものを無視していると、督促状が届きます。督促状は、滞納金額、遅延損害金が記載され、早く返済するように促してくるもの。
督促状が届いたら、すぐにバンクイックへ電話をいれましょう。そして、支払う意思があることを伝え、すみやかに支払ってください。
督促状は、状況が大きく悪化する一歩手前の状態。督促状を無視してしまうと、返済そのものが難しくなってしまいます。督促状は絶対に無視してはいけません。
遅延期間が2〜3ヶ月になると分割不可!信用情報にも大きな影響が
督促状も無視し、遅延期間が2~3ヶ月となると、内容証明郵便にて一括請求書が届きます。これは「期限付き利益の損失」といわれるもので、簡単にいえば「約束を守れないのであれば分割で返済できる権利(利益)はなしにします」というもの。
借入金の分割支払いは認められず、残金と遅延損害金をあわせて一括支払いが求められます。
さらに、延滞日数が2ヶ月(61日)以上になると、信用情報に長期延滞したことが記録されます。こうなると、5年程度はどんな金融審査も通らない状態、いわゆる金融ブラックになってしまいます。
一括返済を求められる上に、ほかの金融機関からの借入もできなくなってしまうのです。
保証会社であるアコムによる代位弁済が行われる
一括での返済は難しい場合がほとんど。その為、多くの人はこれを支払えないままになってしまいます。
次に起こるのは、保証会社による代位弁済です。代位弁済とは、借入をしている債務者の代わりに、提携している保証会社が銀行に借金を返済すること。バンクイックの保証会社は消費者金融大手のアコムです。バンクイックの借金をアコムが代わりに支払う、ということになります。
ただし、残債がなくなったわけではありません。債務者にとっては、借金の支払先がバンクイックからアコムへと変わるだけです。借金が消えたわけではなく、支払いも一括で支払うことが求められます。
アコムから貸金請求起訴される
アコムからの一括請求をされても、やはり支払いは難しいでしょう。しかし、支払えないでいると、次に起こるのは法的手段により支払い命令です。
債務者はアコムから貸金請求起訴、つまり裁判を起こされます。しかし、この裁判で争ったところで、非があるのは借入をした本人なので、勝ち目ありません。
裁判所の呼び出しには応じないといけませんので、時間も労力もかかります。裁判所から、アコムへの一括支払い(借入金、利息、遅延損害金)の命令が下されることは確実。さらに、裁判の費用(訴訟費用)も上乗せされます。
強制執行により財産は差し押さえに
裁判所からの命令なので、支払いを無視することはできません。しかし、支払えないでいると、アコムは判決をもとに強制執行、いわゆる差し押さえを行います。
預貯金、生命保険、不動産、自動車なども差し押さえの対象。場合によっては、給与も差し押さえられてしまいます。
預貯金が差し押さえになると、生活費として利用している普通口座の出金や入金も不可能になり、生活に大きな支障が出てしまいます。しかし、強制執行は、どうあがいても回避できません。
ここまで状況が悪化する前に、対処していくことが大切になります。
バンクイックの返済期日や返済方法をチェック!会員ページも利用しよう
それでは、延滞を起こさないためには、どのように対処していけばよいでしょうか。
延滞しないためにも、まずは返済期日や返済方法を正確に把握しておくことが大切。バンクイック会員ページも活用し、毎月の返済状況を確認することで、返済への意識を強くしましょう。
バンクイックの返済期日は利用者によって異なる
バンクイックの返済期日には、「毎月指定日」と「35日ごと」の2つの設定方法があります。柔軟に返済日を設定できるのは利便性の高いサービスですが、一方で「自分は、どういう風に返済日を設定したっけ?」と返済日を忘れてしまう恐れも。
改めて、それぞれの返済日について振り返っておきましょう。
「毎月指定日」返済
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「毎月指定日」返済は、1ヶ月の中で任意日を指定し、それを毎月の返済日に設定するというもの。入金は、返済日の14日前から入金可能です。15日以上前の入金は、臨時返済と見なされ、借入残金は減りますが、当月の返済額としては認められません。
つまり、15日以上前に返済を行っていても、14日前以内に返済がなければ、その月の返済は延滞になってしまうということです。
臨時返済は利息や返済元金を減らすためにも必要なことですが、返済日の14日前以内にも必ず返済を行う、ということを覚えておきましょう。
「35日ごと」返済
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「35日ごと」返済は、初回借入日の翌日から35日後が返済期日となる、というもの。2回目以降は、前回の返済を行った日の翌日から35日後が次の返済期日になります。
勘違いしやすいですが、追加の借入を行っても返済日は変わりません。また、毎回返済日が変わるので「次の返済日はいつだったっけ?」とならないよう、きちんと確認しておきましょう。
バンクイックの返済方法は3つ!延滞したいためのポイントは?
続いて返済方法も確認しましょう。バンクイックの返済方法は以下の3つがあります。
- 口座引き落とし
- ATM
- 振込
3つのうち、1つしか利用できないわけではなく、併用することも可能です。1つの返済方法だけではメリットもデメリットもありますが、組み合わせることでそのデメリットを打ち消し、計画的な返済を行うことができます。
それぞれの返済方法について解説していきます。
口座引き落としによる返済のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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口座引き落としは、返済日に自動的引き落としがかかるので、返済し忘れといったリスクを回避できます。
ただし、バンクイックの口座引き落としが設定できるのは、三菱UFJ銀行の口座のみ。ほかの銀行の口座では利用できません。また、返済日を35日ごと返済に設定した場合も、口座引き落としを設定することはできません。
ATMによる返済のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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ATMによる返済は、任意のタイミング、任意の金額で返済を行えます。つまり、現在の経済状況に合わせて返済額を調整できる、ということ。
ただし、毎回自分で手続きを行わなければならないことから、返済への意識が薄いと返済し忘れてしまった、というリスクがあるので注意です。
振込よる返済のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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振込返済は、スマホやパソコンなどWebから手続きして返済を行う方法です。Webなので、いつでもどこでも返済を行えます。
ただし、毎回自分で手続きを行うので、返済日を忘れないようにしないといけません。また、振込の手続きが15時以降となった場合、返済が行われるのは翌営業日になります。返済期日ギリギリで振込を行う場合は、注意しましょう。
返済期日や必要な返済額はバンクイックの会員ページから確認できる
バンクイックには専用の会員ページがあり、この中で返済期日や返済に必要な金額を確認できます。もちろん、スマホからでも見ることができるので、お気に入りに登録しておくなど、頻繁に確認できるようにしておきましょう。
会員ページは、バンクイックの口座番号と暗証番号でログインします。
また、メールアドレスを登録でき、返済日の3日前にメールで返済を通知してくれます。返済日を忘れがちな人はメールアドレスの登録をしておきましょう。
延滞を起こす前に!返済が厳しいと感じたら対策を
「返済期日がわかっていても、そもそもお金がないので返済が難しい」という人は、延滞を起こす前に対策することが大切。延滞してしまうと、日ごとに状況は悪化。対処方法もどんどん限られていきます。
返済が厳しくなりそうだな、と思ったら行いたい対処方法を紹介します。
バンクイックへ金利軽減の相談を行ってみる
金利が高いと感じているのであれば、バンクイックに金利の軽減を相談してみましょう。
バンクイックで金利を下げる方法の一つは、利用限度額の増額申請を行うこと。金利は、利用限度額によって適用金利が決まります。追加で借り入れる予定がなくても、利用限度額が増額すれば、金利の軽減が期待できるのです。
バンクイックの利用限度額と適用金利
利用限度額 | 適用金利 |
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10万円以上〜100万円以下 | 年13.6%〜14.6% |
100万円超〜200万円以下 | 年10.6%〜13.6% |
200万円超〜300万円以下 | 年7.6%〜10.6% |
300万円超〜400万円以下 | 年6.1%〜7.6% |
400万円超〜500万円以下 | 年1.8%〜6.1% |
上表を見るとわかりますが、同じ利用限度額であっても、適用される金利には幅があります。例えば、利用限度額が50万円なら、金利は年13.6%~14.6%。この間で適用される金利が決まりますが、人によって差が出ます。
増額審査は年収が大幅に上昇しているなど、利用開始時と比べて有利な条件になっていなければなかなか認められません。しかし、現在の金利が上限側であれば、相談によって下限の方へ変更してもらえる余地はあります。
ただし、増額審査も金利の下限適用の相談も、延滞などなく適正にバンクイックを利用し、優良顧客となっていることが条件。できれば6ヶ月以上、最低3ヶ月は延滞せず適正にバンクイックを利用しているなら、相談してみるのも手です。
バンクイックの最小返済額を確認!返せるときに一気に返済して返済額を減らす
バンクイックでは、借入残高によって最小返済額が決まります。なので、余力があるときに一気に返済して借入残高を減らすことができれば、最小返済額を小さくなり、毎月の負担を軽減することが可能です。
バンクイックの毎月の最低返済額
借入残高 | 最小返済額(金利が年8.1%超の場合) | 最小返済額(金利が年8.1%以下の場合) |
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10万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
10万円超〜20万円以下 | 4,000円 | 2,000円 |
20万円超〜30万円以下 | 6,000円 | 3,000円 |
30万円超〜40万円以下 | 8,000円 | 4,000円 |
40万円超〜50万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
50万円超 | 借入残高が10万円増すごとに2,000円が追加 | 借入残高が10万円増すごとに1,000円が追加 |
最小返済額は、金利が年8.1%超か年8.1%以下かでも変わります。
そのため、利用限度額が200万円超300万円以下であり、金利が年8.1%超が適用されている人は、バンクイックへ金利軽減の相談は特に有効です。年8.1%以下に設定し直してもらえれば、最小返済額が半額になるからです。
バンクイックから金利が有利なカードローンへ借り換えを検討してみる
金利など、バンクイックの条件変更が厳しいのであれば、借り換えを検討してみましょう。借り換えとは、ほかのカードローンでお金を借り、そのお金でバンクイックの借入を返済する方法です。
バンクイックの適用金利よりも、金利が有利な金融機関に借り換えることができれば、金利負担の軽減につながります。
金融機関によっては、借り換えやおまとめ専用のローンを提供しています。毎月の返済負担や金利軽減につながるかもしれませんので検討してみましょう。
親からの援助やカードローンで急場を凌ぐ
親など頼れる人から援助を受けることができるのであれば、それで借金を立て替えるのも一つの方法です。ただし、身内にはなかなかいえない事情がある場合もあります。頼れる人がいないのであれば、他社のカードローンで急場をしのぐのも手です。
ただし、カードローンの返済をカードローンで補おうとするのは、多重債務に繋がります。今月の支払いができても、根本的な解決にはなりません。一時的に金欠で、その後の返済計画の目処が立っているならば、カードローンを検討してもよいですが、そうではないならやめましょう。
どうしても返済が難しい!返済が不可能だと判断した人は債務整理も検討
どの対処方法も難しく、結局返済ができない。こうした人は債務整理を検討しましょう。
債務整理とは、借金を減額したり、支払いに猶予を持たせることにより、借金苦になっている生活から解放するための手続きのことです。
カードローンにより債務整理を行う場合、利用者の状況によって「任意整理」、「個人再生(民事再生)」、「自己破産」の3つの手段があります。
任意整理とは?
任意整理とは、話し合いにより利息を含めた借金の残額と支払い方法を決め直す手続きです。毎月の返済額を見直し、生活に支障のない範囲に減額をします。ほかの手続きと違い、裁判所を通さず、金融機関と交渉して行うのが特徴。督促状などが届く前に、弁護士などを通して任意整理も相談可能です。
個人再生(民事再生)とは?
任意整理も難しい場合には、個人再生を検討します。個人再生とは、裁判所に申し立て、借金返済の義務を一部免除してもらうもの。借金の返済額が最大10分の1になる場合もあります。減額した借金を3~5年かけて分割で返済を行います。
自己破産とは?
自己破産は最終手段で、裁判所に借金返済の義務を全額免除してもらうものです。一切収入がなく、借金が積もり積もっていく状況であれば、自己破産も視野に入れるべきです。なお、自己破産をしても、生活するための必要最低限の財産は手元に残すことができるので、強制執行が行われる前にこの手続きは行った方がよいでしょう。
債務整理のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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債務整理を行えば、信用情報機関には長期延滞の記録として登録されます。いわゆる「ブラックリスト」であり、5年間程度(自己破産や個人再生の場合は10年間)、ローンやクレジットカードなどの審査に通ることができなくなります。
ただし、借金苦の生活から抜け出すことができ、財産も必要最低限のものは手元に残ります。返済が不可能なのであれば、こうした手続きを行うことで、早めの生活再建に繋げましょう。